ピンキー+スティックファス改造
高町なのは
+レイジングハート・エクセリオン





高町なのは
素体はピンキーストリートとスティックファスを使用。
主に、
頭部、胴体、靴底がピンキー
脚、腕がスティックファス
となっています。

(↑左画像、左が素体ピンキー、右の黒いのが素体スティックファス)

基本的製作法は、素体を芯としてエポキシパテで造型したパーツを取り付ける方式です。

肩に乗っているエロイタチこと、ユーノ・スクライアはエポキシパテで造型。
サイズがネックとなり細かい部分はやっつけとなってしまいました。(同じく製作したほぼ同サイズの通常ユーノはあまりに出来が悪いので破棄しました)
あくまでオプションパーツ扱いなので、肩以外には乗れず自立も不可能です。


各部

『髪』
ピンキーの髪をエポキシパテで増量。
ツインテールは針金を芯にしてエポキシパテで製作。接続はボールジョイント。
当初はリボン換装および、ツインテールの稼動を盛り込んでいましたが、強度やバランス面を考え断念。
その名残のためツインテールは若干稼動。ツインテールも外れ易くなっています。
色はニ、三度変更して、現在のブラウン(茶)にオレンジ(橙)とオレンジ(黄)を混ぜて明るさを調整したものに落ち着きました。


『顔』
基本はピンキーのままですが、肌の色がピンキーは黄色が強くやや暗い色なので、キャラクターフレッシュという塗料、赤が強いものと白が強いものの2種を混ぜ合わせ、この色をだしました。
眉やまつげは墨入れペンで調整。
瞳は一番変遷し、ピンキータイプの色変え→それをベースに原作に近く塗装→ベースを崩し原作に近づける→アクセサリーシールを使用、となりました。
口も当初はピンキーのままでしたが、削って整えた後に彫刻刀で掘り込んで立体的にしました。

『胴体』
ピンキーのものを芯にしていますが、原型は留めていません。
襟元は首、肩の稼動のためのボールジョイントが集中しているため、稼動を優先してかなり省略しています。
胸周りより腰周りの方が広がっていますが、これは胸周りが極端に小さいピンキーを芯にしたことからの計算ミスのためで、本当は胸周り>腰周りが正しいです。
ただ、胸周りも襟元のように間接が集中してしまったために、あまり大きくできなかったという事情も若干あります。

『スカート』
当初は、ピンキーのものを改造した固定用と、ポージングのためのアクション用と2種類製作していました。
しかし、固定用のスカートがエポキシパテで増量された上半身に合わなくなり、布製のアクション用スカートの固定方が上手くいっていなかったので、換装方式を排除し布製のアクション用スカートを基本として固定しました。
布製スカートも、旧バージョンは脚の稼動のためのスリット、縫い合わせなどがいまいちでした。
そこで、新たに旧バージョンの型紙をベースに改良した型紙から、ほぼ同じ形を切り出し以前より丁寧に縫い合わせ。
同型のスカートを二つ製作。それを青い部分と白い部分、それぞれ別パーツとして担当させ、スリットを入れました。
白のスカートのスリットは青のスカートの露出部分で、青のスカートのスリットは白のスカートに隠れて見えません。
この二重構造スカートでスリットが目立たなくなり、二重にした副産物として以前よりふんわり感が増しました。
裾のギザギザは薄いプラ板を貼り付け形どっています。
粗さが残っていますが、これはスカートの形保持という役目も持っています。


最後に、各部にアクセサリーシールを使用しています。
これは100円ショップで購入したもので、本来は爪や携帯用のようです。


稼動部
『赤い点はスティックファスの間接や、ボールジョイントを仕込んだ稼動部を示しています』

ボールジョイント部
ツインテール付け根、首、肩、股関節

スティックファス間接部
肘、手首、膝、足首

『頭部』
ツインテールに関しては上記「髪」参照。
首は初期の初期は、私服とバリアジャケットの換装まで考えていたこともあり、受け皿にポリキャップを使用したボールジョイント。
そのため他の稼動部より緩くなっていますが、髪(揉み上げ)が肩に干渉することを踏まえると、換装が廃案になった現状では思いがけない利点になっています。

『腕』
スティックファスのものを使用。手首周りと肩周り以外は、ほぼそのまま。
胴体との接続は、スティックファスより切り取ったボール部を、ピンバイスで胴体に空けた穴に差込接着。一応、針金を芯棒として挿していました。
それにスティックファスの腕の受け皿に接続させていました。
肩は稼動範囲のことも考えて小さめに。稼動範囲、強度共に当初はこれで十分でした。
しかし、レイジングハートがバスターモード、エクセリオンモードと進むと共に、増加する重量に間接がついていけなくなっていきました。
特に肩関節と股関節が顕著で、股関節は自立の関係もあり真っ先に強化改修しました。(後述)
肩関節はなんとかなると思っていたのですが、A.C.S展開状態などのポージングでは肩を上げなくてはなりませんが、重さに負けて思うようにポージングできませんでした。

(↑これが限界)

結果、急遽の強化改修となりましたが、実は随分悩みました。
完成が近く、ずいぶん形が出来てしまった状態ではへたな改修は、稼動のために様々な改造も加えていることもあり、肩や胴体が破損して大規模修復、最悪で使い物にならなくなるかもしれないと、危惧しました。
悩んでいた時間はたいしたことありませんが、頭の中で様々な要素を踏まえてシュミレート。
結局、ここまでやったのにポーズが様にならないのでは仕方が無い、と思い改修を行いました。
彫刻刀で受け皿の形に合うように腕を削り、胴体部は慎重にピンバイスで穴を空けボール軸を埋め込み接着。それに合わせて受け皿の方も接着固定しました。
この時、肩はスティックファスの腕とパテ部の肩が分解、胸部のリボンなども破損。
そのため、改修により大きくなった接続部とバランスをとるために、肩と胸部の大型化を行いました。
首下から胸部まではすべてその時の新造です。
リボンなどは中途半端だったのでこれでよかったかもしれません。


しかし、密かに頭を抱えてしまったのは、肩関節強化のために今度は肘関節に重量負担がいってしまったことです。
こうなるともう、スティックファスの間接ではレイジングハート・エクセリオンは支えられない、と判断しましたが、さすがにこれ以上の改修はバランスを崩し、強度など不安ありまくりでしたから、なんとか支えられるし……ということでそのままになりました。
写真を取る時も、随分肘関節が外れてしまいました。
レイジングハート・エクセリオンさえ持たせなければ、いいのでしょうけれど……

『脚』
脚は当初スティックファスのものを中心に、股関節パーツにピンキーから切り出したもの、胴体との接続部にはボールジョイントとポリキャップを使用していました。


これはスカート換装と腰のスイングを考えてのものでした。
しかし、レイジングハートを持たせることにより重量バランスが崩れてしまい、保持や自立に問題が出てきます。
スカートを固定方式にした後もこれはつきまとい、バスターを構えることが困難なことから、股関節の大改造を行うことに。

(↑画像左が改修前、右が改修後)

スカートが固定になった為に、腰の稼動の意味が薄れて強度を優先して、腰の稼動は排除。
その代わりに、稼動範囲の広いボールジョイントを2個、やや低めの位置に縦に接続しています。
このような方式に変更したのは、スカートがあるので高い位置で接続・稼動しなくてもいい、自立の安定、それまでよりも脚の角度など表情がつけ易くなる、などの理由からです。
針金を芯にボールジョイントを組み合わせて、エポキシパテで固定しただけですが、思ったよりも良くできました。
その股関節部の写真は取り忘れていましたが、胴体に接着してしまい、逆さにしてスカートをまくって写真を撮るというのもなんか嫌なので(苦笑)撮っていません。
膝関節はスティックファスそのまま。
足首はスティックファスのものを削り稼動範囲を広げてあります。
フィンはピンバイスに空けた穴に、針金とプラ板で製作したものを差し込んでいます。
そして靴底。
ここにピンキーの靴底をスライスしたものをパテを使って取り付けたので、ピンキー用のスタンドが使用できるようになっています。
もっとも、股関節を強化したため多少のポーズでは自立できるのですが、A.C.S展開状態のポージングなどでは重宝します。



レイジングハート・エクセリオン

スタンバイモード
実は一番最後に製作しました。
当初は製作するつもりはなく、製作すると決めてからも、「サイズを合わせるか、それともむしろ原作サイズに近づけるか」とどちらにするかはっきりしませんでした。
決定打となったのは、なのはさんサイズに合わせるととても小さくなってしまうこと。
原作ではビー玉かそれより大きいくらい。それを考えると大きいサイズの方が良いだろうと、このサイズになりました。


製作法は簡単で、100円ショップで購入した紐をビー玉にエポキシパテで接続しただけです。一応、塗装もしてありますが。
実際に招き猫の首にもかけてみましたが、若干紐が長い気がします。
おそらく、ある程度の人はつけられるかと思います。


アクセルモード

思い返せば一番スムーズにつくれたアクセルモード。
レイジングハート・エクセリオンの基本製作姿勢は、ほぼこのアクセルの製作過程で決まったといえます。
スティックファスの手に持たせるために、スティックファス用パーツの棒を組み合わせて柄をつくりました。
しかし、このはめ込み式の手では太さの調節が微妙(太ければ持てない。細ければ保持できない)なため、かつ使用したスティックファスのパーツもこれだけの長さのものを4本(当初はA.C.S展開は差し替えでなかった)も用意するのは困難だったので、同じ柄を差し替え共通としました。
この点はちょと逃げた感がありますが、そこまでの余裕が無かったというのもあります。

製作工程は上の画像を見てのとおり。針金を芯にして基本となる形を製作、その後、他の細々としたパーツを取り付けていくという方式です。
取り付けるパーツも針金を芯にしていて、ピンバイスで取り付ける場所に穴をあけて、先端に残してある針金部を穴に差し込むという方法をとりました。
この工程がエクセリオンの差し替え変形の基礎になったと思います。
アクセルを製作している時には思ってもみませんでしたが。
宝玉はビー玉で再現。
ただし、これが後の重量問題に関わってくるとは、同じく思ってもみませんでした。
アクセルモードは一番軽く、一番なのはさんが振り回せてポージングがつけられます。
スタンドに頼りますが、3段目の画像のように片足立ちでのポーズも取れるくらいです。


バスターモード
行き詰まっていた期間が一番長かったバスターモードです。
はじめからその形状はつくりづらいとは思っていましたが、実際にはそれ以上に厄介な形状でした。
アクセルと同様、針金で形作りパテを盛って、それを削りながら形を整えていったのですが、このカクカクと曲がった形には悩まされました。
初期に大型化してしまった要因の一つに、大きくないとヤスリなどで削る等の形状を整える作業が上手く出来なかったというのがあります。

しかし、原作形状や先に完成したアクセルと比べても、それではバランスが悪くなってしまいます。
そのため答えが出ないまま、少しの間放置していた期間がありました。
それでも、このまま放置しておくわけにはいかないと、一念発起して切断分解してバランスを整え、それぞれのパーツを分解状態で整えてから接着するという荒療治を行いました。
これは実行の少し前から思いついていた手ではありましたが、強度が不足することなどから実行をためらっていました。

(左が改修前、右が改修後)

バランスは以前より良くなりましたが、それでもその独特の形状の再現には心残りがあります。
そして本来、宝玉であるビー玉はアクセルのように、2ヶ所で「く」の字のように支えるのが正しいのですが、強度不足で支柱の設置が上手くいかなかったのと、上手い位置でビー玉を支えるのにはまっすぐな一本の支柱で支えると言うのがちょうどよかったため、この形になりました。
本当はアクセルと同じようにしたかったのですが、支柱のための穴を空けたところヒビが入ってしまったので。
フィンはA.C.S展開のフィンを製作しているときに一緒に製作。
これも本来は変形してフィンが出るのですが、そこは省略。
ちょっと変形なしでは大きすぎてバランスが悪かったかと感じでいます。


エクセリオンモード
簡単そうで実は一番手間のかかった、そして一番重量の重いエクセリオンモード。
先の二つと基本は変わりませんが、エポキシパテの量が段違いです。
製作過程も地味に迷走していて、何度も細かい改修が入っています。


形状は単純そうに見えますが、直線主体に微妙に曲線が混じっているというのは、なかなか厄介です。
このエクセリオンが原因で、股関節・肩関節の改修をすることになったりと、いろいろ悩ませてくれました。
差し替え変形やらなんやらの改修を繰り返したせいで、強度はガタ落ち。
一度ヤスリで削りながら整えている最中に、半壊してしまいました。
何とか修復して現在の形にいたっています。


パーツ差し替え
エクセリオンの基礎段階で、「これと似たようなのをもう一つつくる余力が無い」と思ったので差し替え変形に変更しました。
基礎段階だったので変更はあまり支障ありませんでした。
あらためて考えると、頭のどこかに差し替え変形を考慮に入れて基礎を製作していたかもしれません。
少し変った点では先端部にガンプラのビームサーベルを流用。
後部の小4枚フィンの接続にボールジョイントを使用しています。


A.C.S展開 エクセリオンバスターモード


このなのはさん最大の売りにして、最大の大きさを誇るエクセリオンバスターA.C.S展開状態。
稼動するなら、レイジングハート・エクセリオンをつくるなら、これは無くてはならないと思っていました。
しかし何よりその巨大さがネックとなりました。


まず、そのエクセリオンより軽いとはいえ重量から保持できない。
そして、フィンなどが干渉しまくる。
という2点が大きな問題でした。
保持の問題は上記のように肩関節・股関節の強化という形でなんとかしました。
後部の小4枚フィンの接続にボールジョイントを使用したのは、純粋に接続の意味でしたが、その部分を動かせることによりなのはさん本体への干渉を和らげています。
これもなのはさん製作作業の中でいくつもあった、意外な二次的効果のひとつですね。


製作記は←の画像から



<キャラ・デバイス>
魔法少女リリカルなのはA’s公式HPをご覧になってください。
すみませんが、さすがに面倒なので。

<使用素体および材料>
ピンキーストリートとスティックファス。
エポキシパテ、ベーシックパテ、針金、布、ビー玉、アクセサリーシールなど。

<製作>
本当に一番初めとするならば、ピンキーに興味を持った辺りからです。
そこでピンキーを捜し求めましたが、その時期、招き猫の地元ではピンキーはどこも品切れ、入荷していませんでした。
やっとこさ発見したのは中古ショップでのプレ値付き。もはや意地になっていたのかもしれませんが、購入しました。
そのため入手できる素体ピンキーが限られていたため、入手できたピンキーからあらかじめ考えていた候補を逆算して製作することになりました。
それがヴィレッタ・バディムと高町なのは。
しかし、ヴィレッタ製作で思いのほか改造が面倒だと感じ、また固定状態でなのはさん&レイジングハートを製作してもおもしろくないと考え、製作プランは放置されていました。
そんなある日、それでもピンキーについて情報を集めていた時に、あるサイトの稼動ピンキーを見て衝撃を受けました。
スティックファスを使用しているとはいえ、みごとにピンキーを稼動化し様々なポーズや表情をつけられるようにしていたのです。
おまけに細かい製作記もありました。
それを見ながら招き猫は好奇心と昂揚感と共に考えました。
半ばあきらめ気味に放置していた製作プランを実現できるかもしれない。いや、しかしこの改造ができるだろうか。保障は無いし手間も恐ろしくかかる。
それでも結局勝ったのは「これはおもしろそうだ」という考えでした。
そこからすべてが始まったのだと思います。

まず最初にしたことは模型用ドリル・ピンバイスの購入。
以前から改造などに便利な道具だとは思っていましたが、何分安い物でも本体と5本のドリルセットを合わせると、二千五百円くらいしてしまいます。
ただこれが無いと話にならないので、購入。これで後戻りが出来なくなりました(笑)

当初の構想と完成品の違いでは、私服(または制服)の通常素体との換装、固定用スカートの有無、などがあります。
その他、細かい部分でもいくつも変更しています。
特に換装は素体も用意してあったのですが、そこまでの余裕が無い、それよりも稼動体の製作に力を入れる、ということで無しになりました。
全体にいえることですが製作に期間がかかったため、細かくなんども改修して今の形にいたっています。
レイジングハートは本体がある程度の完成をみてから手をつけましたが、ある意味本体よりも力を入れていた部分があります。
元々デバイスは好きでしたし、そのデザインは評価していましたので、製作に気合を入れました。
もっとも、それが思わぬ方向に祟り、重量問題などが生まれてしまいましたが。
悩まされたのがレイジングハートをはじめ、デバイスはほとんど左右非対称とは無縁の形状をしていて、面や線も多いため角度によって表情を変える、立体として面白いデザインです。
しかし、そのため公式HPの一枚画だけでは資料不足であり、その事情もあるのか製品化されているものを含めた立体物、個人が描いた絵などでも解釈が微妙に異なったりします。
公式設定資料がとても欲しかったですが、資金面も危うく入手も面倒なため、いくつものレイジングハートを参考に自分流のアレンジでいきました。

今回の製作にかかった費用を計算するとかなりの額になります。
塗料などは省くにしても、
ピンバイス代・約2500円
ピンキー代・約900円(プレ値付き)
スティックファス代・約800円(犬と警官の)
ピンキースタンド代・約400円
エポキシパテ代・約2000円(400×5)
ボールジョイント代・約700円(2種×2)
布代・確か100円
アクセサリーシール代・300円(×3)
と、ピンバイス代を抜いたとしても5000円近くいきます。
我ながらよくもまぁ、と思ってしまいますね。
それでも今回の製作には、その額以上に得たものがあると思っています。



以前製作したバルディッシュ・アサルトを持った招き猫子と。
突撃→バリア貫通→ゼロ距離射撃。この戦法は、「分の悪い賭けは嫌いじゃない」「ゼロ距離、殺った!!」「これが俺の切り札だ!」の人を思い出す。
アルトアイゼン・リーゼと闘わせてみたいなぁ……


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